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【元ストリンガーが解説】テニスガットのテンションは高い・低いどっちがいい?メリット・デメリットと自分に合う決め方

こんにちは。ほそべーです。

「テンションって、高いほうがいいの?低いほうがいいの?」

ストリンガーをしていたころ、ガットの種類と同じくらいよく聞かれたのがテンションの質問です。

この記事では、元ストリンガーの目線で、テンションを高く張る・低く張るメリットとデメリット、自分に合うテンションの見つけ方、素材によるテンションの考え方の違い、そしてプロ選手の驚きのセッティングまで解説します。

結論:テンションの高い・低いで何が変わる?

高く張る 低く張る
打球感 硬く、シャープ 柔らかい
ボールの飛び 抑えやすい 飛びやすい
腕・肘への負担 大きくなりやすい 小さくなりやすい
注意点 ボールが飛ばずに力んでしまう ボールが飛びすぎて抑えられなくなる

自分に合うテンションは、ラケットの推奨範囲の真ん中あたりから、±2ポンドずつ変えて試すのがおすすめです。

テンションを高く張るメリット・デメリット

高いテンション=硬めの打球感です。ガットのたわみが小さくなり、ボールを打ったときに硬く感じやすくなります。

メリット

  • ボールの飛びを抑えやすい(コントロールしやすくなると言われることもあります。)
  • 打球感が硬く、シャープになる

デメリット

  • ボールが飛びにくくなる
  • 打球感が硬くなる
  • 腕や肘への衝撃が大きくなりやすい
  • スイートスポットが狭く感じることがある

特に、スイングスピードが十分でない方がテンション高く張りすぎると、ボールが飛ばず、無理に力を入れて打つようになってしまいます。部活生に多い「高いテンション=すごい」という思い込みには注意が必要です。

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テンションを低く張るメリット・デメリット

低いテンション=柔らかめの打球感です。ガット面がたわみやすくなり、ボールを受け止める感覚が強くなります。

メリット

  • ボールが飛びやすくなる
  • 打球感が柔らかくなる
  • 腕や肘への負担を軽くしやすい
  • スイートスポットが広く感じることがある

デメリット

  • ボールが飛びすぎることがある
  • コントロールしにくく感じることがある
  • 打球感がぼやけることがある

肘に不安がある方は、テンションを下げることも大切です。詳しくはこちらの記事で解説しています。

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「低く張るとスピンがかかる」は本当?

低いテンションで張るとガットのたわみが増えて、スピンがかかりやすくなる。そう考える方は多いです。間違いではありませんが、実は変化は小さいです。

スピンの変化を確かめたいなら、テンションよりもガットの素材や種類を変えるのが一番です。

自分に合うテンションの見つけ方

おすすめは、ラケットの推奨テンションの真ん中あたりから始めて、±2ポンドずつ調整する方法です。

たとえば、推奨テンションが45〜60ポンドのラケットなら、こんな流れで試します。

  • まずは推奨範囲の真ん中あたり、52ポンドで張る
  • 硬い、飛ばないと感じたら → 50ポンドで試す
  • 柔らかい、飛びすぎると感じたら → 54ポンドで試す

試し方の手順

  1. まずは推奨テンションの真ん中あたりで張る
  2. 2〜3回プレーして、打球感、ボールの落ちる場所(深いのか、浅いのか、思った通りなのか)、ミスの傾向(ネットとアウト、どちらが多い?)を確認する
  3. ボールが飛びすぎるなら、2ポンド上げる
  4. ボールが飛ばない、打球感が硬いなら、2ポンド下げる
  5. 良かった設定を基準に、さらに細かく調整する

自分に合ったテンションを探すときは、一度に4〜5ポンドも変えないようにしましょう。打球感が大きく変わりすぎてしまいますからね。

症状別|テンションの調整の目安

気になる症状 試す方向
ボールがアウトしやすい 2ポンド上げる
ボールが飛びすぎる 2ポンド上げる
ボールがネットにかかる 2ポンド下げる
ボールが浅くなる 2ポンド下げる
打球感が硬い 2ポンド下げる
腕や肘に違和感がある テンションを下げる、柔らかいガットに変える

※ミスの原因は、フォームや打点にもあります。テンションだけで解決しようとしないことも大切です。

また、比べるときはガットの種類・太さやラケットをできるだけ同じにしてください。条件が変わると、テンションの違いがわからなくなってしまいます。

素材によってテンションの考え方は変わる?

結論、変わります。

同じ50ポンドで張っても、ナイロン、ナチュラル、ポリでは打球感が違います。ナイロンを基準にすると、ナチュラルは柔らかく、ポリは硬く感じます。

素材 テンションの考え方
ナイロン 推奨範囲の真ん中あたりを基準に調整
ナチュラル ナイロンと同じくらい〜2ポンドほど高めでもOK
ポリ ナイロンより2〜4ポンド低めから

ナイロン:まずはここで基準をつくる

初心者から中級者まで、幅広く使いやすい素材です。

  • 基準は、ラケットの推奨範囲の真ん中あたり
  • 飛びすぎるなら少し上げる
  • 硬さが気になるなら少し下げる

まずはナイロンで好みのテンションを見つけておくと、他のガットと比べるときの基準になります。

ナチュラル:高めでも打球感を保ちやすい

天然素材ならではの柔らかさ、反発、テンションの維持性が特徴です。

  • ナイロンと同じくらいのテンションから試せる(2ポンドほど高く張ってもOK)
  • 柔らかさや反発を活かすなら、基準より低めも選択肢
  • 高めのテンションでも打球感を保ちやすい

ただ、価格が高いので、テンションを変えるために何度も張り替えるのは難しいのが悩みどころです……。

ポリ:ナイロンより低めから

ポリはナイロンより剛性が強く硬いので、低めのテンションから試すのが基本です。

  • ナイロンより2〜4ポンドほど低めを出発点にする
  • 硬さや腕への負担を感じたら、さらに下げる
  • 低く張りすぎて飛びすぎる場合は、少し上げる

たとえば、ナイロンを50ポンドで使っているなら、ポリは46〜48ポンドあたりから試すイメージです。

プロ選手のテンションは、こんなにバラバラ

「自分に合うテンションを探す」ことの大切さがよくわかる、プロ選手のエピソードを紹介します。

アドリアン・マナリノ(フランス):約10kg(約22ポンド)

今のツアーで、特に低いテンションで知られている選手です。普段は10kg前後(約22ポンド)で張っていて、一番低いときは8kgまで下げたこともあるそうです。

面白いのは、最初からテンションが低かったわけではないことです。20歳のころは20kg(約44ポンド)で張っていて、そこからほぼ毎年、少しずつ下げていったそうです。

出典:Tennis Majors「Mannarino: "My lowest string tension has been 8 kilos"」/ATP Tour「High Strung」

ダスティン・ブラウン(ドイツ/ジャマイカ):79ポンド

ウィンブルドンで予選上がりながらナダルを倒したことで有名なブラウンは、逆に極端に高いテンションで知られています。

2017年のATP大会(デルレイビーチ・オープン)で、大会のストリンガーが明かしたところによると、ブラウンが求めたテンションはなんと79ポンド。同じ大会では、選手の約90%が45〜55ポンドで張っていたそうなので、79ポンドがどれだけ特別かがわかりますね。

出典:Tennis.com「Delray Beach stringers reveal crazy low tension」

マナリノ(約22ポンド)とブラウン(79ポンド)の差は、なんと50ポンド以上。トッププロでも、合うテンションは人それぞれなんです。

グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア):ブラインドテストで決める

ディミトロフは、テンションを0.1kg単位(約0.2ポンド)で指定することもあるほど、こだわりの強い選手です。本人も「テンションの違いはとても大きな差になる」と話しています。

面白いのは、テンションの決め方です。大会に着いたら、3本のラケットを違うテンションで張ってもらい、どれが何ポンドか知らないまま打ち比べる「ブラインドテスト」をすることがあるそうです。テンションを知っているのは、コーチとストリンガーだけ。その中から、一番しっくりきたものを選ぶという方法です。

プロでさえ、「いつもと同じだから」と決めつけずに、実際に打ち比べて選んでいるんですね。

出典:ATP Tour「High Strung: Stringing Stories From The ATP Tour」

まとめ

  • 高く張ると硬く、飛びを抑えやすい。ただし腕への負担が大きくなりやすい
  • 低く張ると柔らかく、飛びやすい。ただし飛びすぎてコントロールしにくくなることも
  • スピンを変えたいなら、テンションよりガットの素材や種類を変える
  • 自分に合うテンションは、推奨範囲の真ん中から±2ポンドずつ変えて探す
  • ナチュラルは同じか少し高め、ポリはナイロンより2〜4ポンド低めから試す

テンションは、単純に性能を上げ下げするものではありません。自分のスイングや好みの打球感に合うセッティングを探すものです。プロ選手のように、ぜひ自分だけのテンションを見つけてみてください。

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