実は、ガットのテンションは季節や場所によって変えるのがおすすめです。
気温や標高が変わると、ガットやボールの性質が変わり、同じテンションでも打球感や飛び方が変わってしまうからです。
この記事では、元ストリンガー・元インターハイ選手の目線で、季節(夏・冬)、標高(高原のコート)、コートの種類によるテンションの調整の目安と、プロ選手の実例を紹介します。
結論:季節・場所によるテンション調整の目安
| 条件 | テンションの目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 夏(気温が高い) | いつも通り、または少し上げる | ガットもボールも柔らかくなり、飛びやすくなる |
| 冬(気温が低い) | 2〜4ポンド下げる | ガットもボールも硬くなり、打球感が硬くなる |
| 高原・標高の高いコート | 2ポンドほど上げる | 気圧が低く、ボールが飛びやすい |
調整するときは、±2ポンドから試すのがおすすめです。
季節でテンションを変える理由
冬は2〜4ポンド下げるのがおすすめ
気温が低いと、ガットは硬く、伸びにくくなります。さらに、ゴムでできているボールも硬くなります。
そのため冬は、打球感が「カチンッ」と硬くなりがちです。硬い打球感のまま打ち続けると、腕や肘をケガしやすくなります。
冬は、いつものテンションから2〜4ポンドほど下げてみるのが良いでしょう。
肘に不安がある方は、こちらの記事も参考にしてください。
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夏はいつも通りか、少し上げる
反対に、気温が高い夏は、ガットもボールも柔らかくなり、ボールが飛びやすくなります。夏はいつも通りのテンションか、飛びすぎると感じたら少し上げるのがおすすめです。
標高の高いコートでは2ポンドほど上げる
高原など、標高の高い場所にあるテニスコートでは、気圧が低くなるため、ボールが飛びやすくなります。
ボールの飛びを抑えるために、テンションを2ポンドほど上げる方が多いです。
高原の大会で、テンションの大切さを知った話
私が学生のころ、年に1回、高原のテニスコートで大会がありました。
ラケットは3本持っていたのですが、1本はいつものテンション+2ポンド、2本は+4ポンドにして大会に挑んでいました。緊張するとコントロールが荒れやすかったので、とにかく飛びすぎないようにセッティングしていたんです。
一方で、初めてその大会に出場したチームメイトは、ボールのコントロールが効かず、アウトが多くなって散々な結果でした。
高校最後のその大会の1回戦では、相手が初出場の選手でした。1試合を通して、相手のサーブが入ったのは4ポイントくらい。ほとんど体力を使わずに勝てたので、ラッキーでした。……結局、3回戦で負けてしまったんですけどね(笑)。
同じ実力でも、テンションの準備ひとつで結果が変わる。高原の大会に出る予定がある方は、ぜひテンションを見直してみてください。
どのくらい変える?調整は±2ポンドから
季節や場所に合わせて変えるときは、±2ポンドから調整するのがおすすめです。
- 1ポンドだと、違いを感じにくい
- 3ポンド以上変えると、変化が大きくなりすぎてしまいがち
まずは2ポンド変えてみて、打球感やボールの飛び方を確かめてから、さらに調整しましょう。自分に合うテンションの見つけ方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
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コートの種類でテンションは変える?
一般プレーヤーなら、季節と標高以外でテンションを変えることは、あまりないと思います。ただ、プロ選手はコートの種類(サーフェス)や、試合中のボール交換のタイミングに合わせて、テンションを変えることがよくあります。
| コート | 特徴 | テンションの考え方 |
|---|---|---|
| 芝・
人工芝 |
ボールが速く、低く滑る | 飛びすぎる・コントロールが荒れるなら少し高め |
| クレー | 球速が落ち、ラリーが長くなりやすい | ボールが浅くなる・深く飛ばしたいなら少し低め |
| ハード | 世界的に一番基本のコート | いつも通り。ただしコートによって球速が違うので、変える選手もいる |
プロ選手は条件でテンションを変える?変えない?
実は、プロ選手の中でも「変える派」と「変えない派」に分かれます。
変える派:フェリックス・オジェ=アリアシム(カナダ)
オジェ=アリアシムは、会場やボールに合わせてテンションをかなり変えると話しています。1つの試合に持ち込むラケットでも、1〜2kgずつテンションを変えて用意しているそうです。
- 速いコートや、ボールがよく弾む条件 → 高め
- ボールが重い、展開が遅い条件 → 低め
1年間での調整の幅は、5〜6kgにもなるそうです。サーフェスだけでなく、ボールや会場の条件まで見て決めている例ですね。
出典:ATP Tour「High Strung: Stringing Stories From The ATP Tour」
変えない派:ラファエル・ナダル(スペイン)
ATPツアーのストリンガー、クレイグ・ブロットマンさんによると、ナダルはサーフェスや気象条件、試合の時間帯に関係なく、55ポンドで張っていたそうです。
出典:ATP Tour「High Strung: Stringing Stories From The ATP Tour」
変えない派:ダニール・メドベージェフ(ロシア)
メドベージェフは、「昼と夜でテンションを変えたり、ボール交換のたびにラケットを替えたりする選手は多いけど、自分は違う」と話しています。世界中どこでも、ほぼ22kg。寒くても暑くても、テンションは変えないそうです。
出典:Tennis.com「WATCH: Daniil Medvedev lets loose on string habits with Tennis Warehouse」
大事なのは「自分で決めていること」
変える派も、変えない派も、トップレベルで活躍しています。大切なのは、なんとなく同じテンションで張り続けるのではなく、自分で考えて決めていることです。
一般プレーヤーの方は、まずは冬に少し下げるところから試してみてください。打球感の違いを、きっと感じられるはずです。
まとめ
- 冬はガットもボールも硬くなるので、2〜4ポンド下げる
- 夏はいつも通りか、少し上げる
- 標高の高いコートはボールが飛びやすいので、2ポンドほど上げる
- 調整は±2ポンドから
- プロにも「変える派」と「変えない派」がいる。大切なのは自分で考えて決めること
季節が変わったら、ガットのテンションも見直してみましょう。それだけで、テニスがもっと快適になりますよ。